デッサンについてのサイトです

デッサンを学びたい! > デッサンの基本

デッサンの基本

スポンサードリンク

形の正しい認識

デッサンを描く上でもっとも基本となるのが、「モチーフの形を正しく認識する」ということです。物の輪郭や大きさ、幅などを正しく認識することが、上手なデッサンを描くための第一歩と言えるでしょう。「物」には大きく分けて四つの要素があります。一つは「立方体」という概念であり、これは物を認識する際の基本中の基本となります。

次に「球」です。輪郭で表すと円となるこの「球」は、物の基本的な形の中でももっとも大きな幅を持ち、安定と不安定の両方を兼ねています。さらに「円錐」があります。輪郭としては、底辺の楕円と二本の直線から成ります。最後に「円柱」ですが、これは角度や視点により奥行きが失われることで、表現が難しくなります。

この四つの基本形を正しく認識し、これらを組み合わせることによって様々な形を再現することが可能となります。どれだけ複雑な構造を持った物でも、これらの基本形と曲線を組み合わせることによって再現することができます。

調子について

デッサンにて用いられる「調子」とは、物の「陰影」のことを指します。これらは鉛筆や木炭の濃さや硬さ、密度によって操作することができ、特に物の奥行きや質感、光の加減などを再現するために必要な過程となります。鉛筆や木炭には様々の種類がありますが、硬さや濃さ、密度などの種類は数多くあるので、それらが持つ特徴をよく理解し、把握する必要があります。

調子を上手に取るために効果的な練習法として、白から黒までの間を何段階かの調子でつなげるという方法があります。一本の鉛筆で白い調子と黒い調子を表してから、次のその間に二つの調子を描き、さらにそれを半分にして二つの調子を描くといった方法です。つまり、明から暗へと移り行く調子を段階的に描きあげるわけですが、この作業がデッサンでの基本的な作業となります。

調子を取る

さて、では実際にモチーフを対象に調子を取ってみましょう。輪郭に沿った陰影は、立体感を表します。輪郭線が形のシルエット、調子が形に映る陰影と認識すれば良いでしょう。この「シルエット」と「調子」を組み合わせることで、立体を表現することができます。デッサンとはこれらの複合的な組み合わせによって行われるものであり、基本さえ踏まえておけば難しいものではありません。

画面に乗せた鉛筆、木炭などから調子の配分を捉えるには、画面から少し間を取り、目を細めて見てみると良いでしょう。そうして細部などにこだわらず光を意識することによって、不適切な調子は修正し、徐々にデッサンを仕上げていきます。基本的にデッサンは、この作業の繰り返しとなります。

調子と光の関係

調子を正しく表すためには、光の加減を正しく認識する必要があります。たとえば、モチーフに対して右上から光が当てられている場合、モチーフの右上が明るくなる一方、反対側の左下は暗くなります。一部が明るくなれば一部は暗くなり、明るさが淡くなればその反対部分にも変化が現れます。この明暗の物理的関係は変わらないので、的確な調子をつかむためにはこういった光の特質、光の加減について正しく認識する必要があります。以下に具体例を挙げてみましょう。


・(モチーフが)前面から光を受けた場合

モチーフが、視線と同じ方向での光を受けた場合は、明るい調子の割合、面積は増え、全体的に調子の差がなくなります。特に起伏の少ない平面的なモチーフであった場合は、全体像を把握しやすい分、立体感を再現するのが難しくなってきます。


・逆行を受けている場合

モチーフの背から光を受ける場合、モチーフの全体像は暗めの調子となります。光がモチーフの後ろにあるため、コントラストも強めにする必要があり、調子の強弱が激しい絵となります。


・斜め上から光を受けている場合

モチーフの特徴をもっとも捉えやすい角度となり、特に凹凸の激しい物体をモチーフとする場合には、効果的な表現が可能となります。


・下から光を受けている場合

反射の強いものの上に置かれたモチーフに現れ、非現実的、空想的な印象を出します。

調子のバランスを知る

一つの画面の中において、明るい部分と暗い部分の調子で淡い色や濃い色の差が極端な場合でも、その明暗の関係性が崩されることはありません。調子の秩序はつまり光の秩序であり、その関係性は相対的なものなので、特殊な場合を除いてその関係性が崩されることはありません。使用する鉛筆や木炭、紙の質や色によって描かれるモチーフの印象も変化しますが、明暗の関係は変わらないのです。

この相対的な光と陰の関係性を知ることによって、立方体への理解を深めることがデッサンでは重要となってきます。特に複雑な形状を帯びたモチーフに関しては、明と暗を上手に正しく描くことによって、モチーフの輪郭、形態、個性が引き出されます。明暗のバランスを掴むことが大切です。

調子を調整する

場合によって、ある調子だけ飛んでしまったり、同じ調子がぶつかり合ってメリハリのない印象になってしまうことがあります。どれだけ写実的に描写したとしても、調子が上手く画面に乗らないということもあります。そういう場合、無理に描くということはしないで、工夫をこらしてみましょう。

たとえば、モチーフのバック(背景)の色に変化をつけてみたりするのはどうでしょうか。バックの色を変化させると言っても、軽く色を乗せるだけです。バックを灰色にすると、モチーフが引き立ち自然な立体感が得られます。また、モチーフの調子によって、バックの色にある程度の明暗をつけるのも一つの手でしょう。モチーフを引き立てるためには、背景を無視することもできないのです。

グラデーションについて

デッサンを描く段階で、まずは単調な調子を描いたら、今度は複雑なグラデーションを描きます。同じモチーフを用いても、グラデーションに幅を持たせることによって様々な表情や個性を表現できることが、デッサンの魅力の一つであるとも言えます。

たとえば、水面や地面の影と、建物や車などの陰は、基本質に描き方が異なります。直線的なもの、丸みを帯びたもの、硬いもの、柔らかいもの、それぞれモチーフが持つ特質を踏まえた上でグラデーションを上手につけることによって、より表情豊かな描写が可能になります。モチーフを観察する際は、そのモチーフが調子のほかにどのような要素を持ち、どのような特徴、個性を持っているかに目を向けてみましょう。